【令和6年度報酬改定】就労継続支援B型の基本報酬の注意点について解説
奈良・大阪市で障害福祉の指定申請や運営相談を行っている行政書士の田中です。
令和6年度の障害福祉サービス報酬改定により、就労継続支援B型の基本報酬(サービス費)に変更がありました。
この改定では、新たに「6:1配置」の区分が追加されました。従来の「7.5:1配置」や「10:1配置」も引き続き設定されています。
何か気を付けることはありますか?
では本日は、就労継続支援B型の主に食事提供加算に注目して解説していきましょう。
人員配置で注意すべきポイント
就労継続支援B型事業所の運営において特に注意が必要なのが、「食事提供加算」を算定している場合です。この加算を算定する事業所では、「調理員」を配置することが義務付けられています。
例えば、職業指導員Aさんが調理業務を兼務している場合、調理に従事する時間は「職業指導員」としての勤務時間から差し引かなければなりません。これにより、常勤換算の基準を満たさなくなる可能性があるため注意が必要です。
6:1配置の計算例
例えば、平均利用者数が18名で6:1配置を行う場合
18 ÷ 6 = 3.0人
常勤換算で3.0人の支援員が必要となります。
従業員の勤務状況(常勤換算)
職業指導員Aさん
8時間 × 5日/週 × 4週 = 40時間/月 → 常勤換算1.0人
職業指導員Bさん
8時間 × 5日/週 × 4週 = 40時間/月 → 常勤換算1.0人
生活支援員Cさん
8時間 × 5日/週 × 4週 = 40時間/月 → 常勤換算1.0人
これにより、合計常勤換算3.0人を満たしています。
では、もし調理員兼務の職員がいる場合は数字がどう変化するでしょうか?以下で見ていきましょう。
調理員兼務による影響の例
仮に、職業指導員Aさんが1日0.5時間、調理員として兼務した場合
職業指導員としての勤務時間
7.5時間 × 5日/週 × 4週 = 37.5時間/月
調理員としての勤務時間
0.5時間 × 5日/週 × 4週 = 2.5時間/月
この場合、Aさんの職業指導員としての常勤換算1.0人が崩れ、配置基準を満たさない可能性が生じます。
これでは合計常勤換算3.0人に足りませんね。
食事提供加算算定時の注意点
上記のように、食事提供加算を算定する事業所では、調理員の勤務時間も考慮して人員配置を行う必要があります。職員の兼務によって基準を下回ることがないよう、計画的な配置を心がけましょう。
- 上記のような場合、「会社役員であれば、許容範囲内で40時間を超えて勤務することが可能なので、役員を調理員として勤務させる方法もあります」と提案してくれる指定権者もいるようです。ただし、この方法がすべての指定権者で認められるとは限りませんので、必ず事前に指定権者に確認するようにしてください。
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