【令和6年度報酬改定】強度行動障害を有する児者への支援に係る報酬・基準
障害福祉サービス事業所を運営されている事業所様は令和6年度の報酬改定が気になるかと思います。
今日は「強度行動障害を有する児者への支援に係る報酬・基準」について、障害福祉サービス等報酬改定検討チームの検討内容を解説いたします。まだ検討段階ですので確定ではありませんが、前回(令和3年度)改訂のスケジュールをでは、1月下旬に省令公布、2月3月で、都道府県で条例改正及び事業者で報酬改定に伴うサービス内容の見直しへの対応とされていたので、大枠は決まりではないでしょうか。
強度行動障害とは
自傷行為・他害行為など、危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動、大泣きが何時間も続くなど周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態のことを強度行動障害と呼びます。
20代や40代後半に多く見られます。
強度行動障害を有する児者の受け入れ体制の強化について
現状では
- 強度行動障害については、「行動関連項目」により判定し、24点満点中10点以上となる者に対して、一定の体制確保や対応を行った場合に、報酬上特別の加算(重度障害者支援加算)が設定され、手厚い支援を行う体制がとられている
- 一方で現状は、行動関連項目の合計点が10点の者と点数の非常に高い者(最大で24点)では、必要な支援の度合いが大きく変わってくるが、このような支援が困難な状態の者がサービスの受入れにつながっていないと指摘されている。
- 「共同生活援助は、生活環境や支援内容を個別化しやすく、一人一人の特性に合わせやすい等の利点があることから、強度行動障害を有する者の居住の場として受け入れの体制整備を進めていく必要がある」と指摘されている。
- 生活介護や施設入所支援においては、現行、強度行動障害を有する者の受け入れを促進する観点から、初期段階の環境の変化等に適応するための手厚い支援を評価する加算があるものの、共同生活援助においては、同様の加算はない。(共同生活援助は区分ごとに報酬が分かれているのみ)
現状を踏まえて、検討の方向性・・・
- 行動関連項目の合計点が非常に高く、支援が困難な児童や障害者の受け入れ体制が整っていない事業所が多くある。そのため、10点以上という区切りだけではなく、必要な支援が変わってくるような点数の高い利用者を受け入れ、適切な支援を行った場合には、別途評価を行ってはどうか。
- また上記を行う際に、点数の高い利用者を受け入れる際は高度な支援力が必要となるため適切な支援の実施をマネジメントできる人材(中核的人材)の配置を評価することを検討してはどうか。
- 強度行動障害を有する者の受け入れにあたっては、初期段階において環境の変化等に適応するために手厚い支援を要することから、共同生活援助事業所における受け入れ体制を強化するため、利用者の状態や環境の変化に適応するための初期のアセスメント等を評価することを検討してはどうか。
状態が悪化した強度行動障害を有する児者への集中的支援について
現状では
- 強度行動障害を有する利用者で、サービスの利用を希望していても、状態が悪化することで、サービス提供が困難となることがある。また自傷や他害を行うことが激しくなり、現状の生活の維持が難しくなったものもいる
- 支援現場において、利用者の強度行動障害の状態が悪化し、職員自身も目の前の対応に追われ、支援内容を振り返る余力がなくなり疲弊してしまい支援力が落ちてしまうということも起こっている
- 強度行動障害者が状態の悪化により在宅やグループホームでの生活が難しくなった場合には、障害特性や行動の要因分析等の適切なアセスメントを行い有効な支援方法を整理したうえで環境調整を集中的に実施し状態の安定を図ることが有効である。そういった取り組みを強化していくべきである。
- 広域的支援人材について、求められる専門性の高さから地域での確保・配置が難しい場合も想定される。ICTを活用して地域外から指導助言等を行うなど、広域で対応する体制についても検討することが必要である。と指摘されている。
現状を踏まえて、検討の方向性・・・
- 高度な専門性により地域を支援する人材(広域的支援人材)が、事業所等を集中的に訪問等(情報通信機器を用いた地域外からの指導助言も含む)し、適切なアセスメントと有効な支援方法の整理を共に行い環境調整を進めていく、いわゆる「集中的支援」について評価することを検討してはどうか。
- 広域的支援人材については、国において人材養成研修を実施する予定としているが、例えば、当面の間は、勤続年数が一定以上の発達障害者地域支援マネジャーや、中核的人材養成研修の講師等の研修受講者以外の者について、広域的支援人材とすることを検討してはどうか。
※障害福祉報酬改定検討チーム資料より
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令和4年度からが虐待防止・身体拘束の適正化の義務化・令和6年度からはBCP作成が義務化されます。
お忘れないようお気をつけください。