サービス管理責任者のOJT期間が6カ月に短縮できる特例を解説

サービス管理責任者のOJT期間が6カ月に短縮できる特例を解説

令和5年6月30日付けで、サービス管理責任者のOJT期間が6カ月に短縮される特例が公開されました。

行政書士 田中
行政書士 田中

奈良・大阪市で障害福祉の指定申請や運営相談を行っている行政書士の田中です。
本日はサビ管のOJT期間短縮について解説していきましょう!

目次

特例の概要とは?

まず間違えてはいけないポイントとして、ただ単純にOJT期間が6カ月に短縮されたわけではなく、原則は今まで通り2年です。

ただし、ある一定の要件を満たしたときにおいてはOJT期間6カ月で実践研修を受講できるというものが今回の特例の概要です。

では、どういった要件の下で適用されるのですか?

次の要件①~③のすべてを満たした場合特例が適用されます。

  • 大阪府のHPより引用しています
行政書士 田中
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それでは①~③について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

特例が適用される3つの条件

①【サービス管理責任者等基礎研修】の受講開始時に、サービス管理責任者等の実務経験要件を満たしている者

サビ管基礎研修(基礎研修相談支援従事者初任者研修の両方)を受講した時に既に、サビ管や児発管になる実務経験を満たしているということが必要になります。

基礎研修は実務経験を満たす2年前から受講することができますが、今回の特例を適用させるためにはそれではいけません。

実務経験8年が必要な方であれば、8年経ったときに基礎研修を受けていなければいけないのです。

②障害福祉サービス等事業所・施設において、個別支援計画(原案)作成業務に6ヶ月以上従事する者

要件②は下記のいずれかが当てはまる場合です。

2人目配置のサービス管理責任者等」や「相談支援・直接支援業務に従事する従業者」のうち、サービス管理責任者等のもとで基礎研修修了者が個別支援計画の原案の作成までの業務(【※】A・B・C)に従事する場合 

◆「2人目サビ管等」や「相談・直接支援の従業者」は、事前に届出(変更届の提出等)されていることが前提です。指定権者への届出が済んでいない場合は、変更届の提出をお願いします。
やむを得ない事由が認められた事業所で配置されたサービス管理責任者等であって、基礎研修修了者が、個別支援計画の作成の一連の業務(【※】AからE全て)に従事する場合
令和3年度末(令和4年3月末)までに、実務経験者及び基礎研修修了者であるサービス管理責任者等(経過措置対象者)であって、個別支援計画の作成の一連の業務(【※】AからE全て)に従事する場合
【※】
A利用者について面接した上でアセスメントを行い、適切な支援内容の検討を行う。
(基準省令第58条第2・3項等 参照)
Bアセスメント及び支援内容の検討結果に基づき個別支援計画の原案を作成する。
(基準省令第58条第4項等 参照)
C個別支援計画の作成に係る会議を開催し、原案の内容について担当者等から意見を求める。
(基準省令第58 条第5項等、解釈通知第四の3(7)2ア等 参照)
サービス管理責任者等のもとで基礎研修修了者が業務に従事する場合は、サービス管理責任者等が開催する上記会議に参画すること。
D上記原案の内容について利用者又はその家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得、個別支援計画を利用者に交付する。
E定期的に個別支援計画の実施状況の把握及び利用者についての継続的なアセスメント(モニタリング)を行い、少なくとも6月に1回以上個別支援計画の見直しを行い、必要に応じて個別支援計画の変更を行う。
(基準省令第58 条第8項等、解釈通知第四の3(7)2エ等 参照)

要件②にある「6ヵ月以上従事」とは、「基礎研修修了者となった日(OJT期間の起算日)以降から6ヵ月以上従事」となります。

実践研修受講までのOJT期間の起算日(2年以上又は6ヵ月以上の期間の開始日)は、従来どおり「基礎研修修了者」(上記アの◆印)となった時点から起算

上記はいずれも、基礎研修修了者となる以前の個別支援計画(原案)作成業務は対象外

この個別支援計画(原案)作成業務の頻度は、どの程度を目安にすればよいのでしょうか?

行政書士 田中
行政書士 田中

十分な実施を担保する観点から、「少なくとも概ね計10回以上行うことを基本とする」とされています。

③要件②に従事すること(従事前・従事中・従事後は問わない)について、指定権者へ届出を行っている者

実践研修の受講申込までに、要件②に従事していることを指定権者へ届出する必要があります。

届出に関しては、個別支援計画を作成した事業所を管轄する指定権者に問い合わせてください。届出に必要な書類は当該指定権者のHPをご覧ください。


以上のように、いくつかの要件を満たさなければOJTは6か月に短縮されません。

OJT6か月の特例が適用され実践研修を受ける場合には、基礎研修終了時に実務経験を満たしていたという事実が分かる実務経験証明書の提出が求められるので、従事していた事業所に早めに手配してもらうようにしましょう。

行政書士 田中
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この記事を書いた人

奈良で開業して17年目を迎える行政書士法人LSRコンサルティングに所属する現役の行政書士。
障害福祉業務を得意とし、障害福祉サービス事業の開業・指定申請・許認可等に取り組む事業主様・個人様に向け障害福祉サービス事業情報を発信。

"初めての方にもわかりやすく"をコンセプトに障害福祉サービス事業情報をお届けします。

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