【共同生活援助】夜間支援等体制加算について解説

【共同生活援助】夜間支援等体制加算について解説

共同生活援助を運営する上で、夜間に支援が必要な利用者が入居している場合には夜間支援員を配置します。

今回は夜間支援員を配置することによって算定できる夜間支援等体制加算について詳しく解説していきましょう。

行政書士 田中
行政書士 田中

奈良・大阪市で障害福祉の指定申請や運営相談を行っている行政書士の田中です。夜間支援等体制加算はⅠ~Ⅵまでありますが、このページではについて解説します。

ⅠとⅡでは何が異なりますか?

行政書士 田中
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ざっくりと違いを言うと、Ⅰは夜勤Ⅱは宿直として夜間支援員を配置します。

目次

夜間支援等体制加算Ⅰの算定要件

  • 夜勤を行う夜間支援従事者を配置すること
  • 深夜および夜間の時間帯(午後10時から午前5時の時間帯を最低限含む)を通じて必要な介護等(就寝の準備の確認、寝返り、排せつの準備、緊急時の対応等)の支援を行うこと
  • 複数の共同生活住居の支援を行う場合は、一晩1回以上の夜間巡回が必要
  • 夜間支援の内容は、個別支援計画に位置づけた上でのものであること

夜間支援等体制加算Ⅰの「夜勤」とは所定労働時間(原則1日8時間、1週40時間)内の勤務の中で夜間に勤務することを言います。

そのため、夜間支援等体制加算Ⅰを算定している場合、勤務時間中は利用者の緊急時の対応がとれる状態にしておくべきです。

夜間支援等体制加算Ⅰの加算額

「1つの住居」において「1人の夜間支援従事者」が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」および「利用者の障害支援区分」に応じ加算額を算定します。

「夜間支援対象利用者の数」は、共同生活住居に入居している利用者数の総数とします。

ただし当該利用者数の総数は「現に入居している利用者の数」ではなく、「前年度の平均利用者数」の計算方法に準じて算定します。小数点以下の端数が生じる場合については、小数点第1位を四捨五入します。

夜間支援対象利用者数区分4以上区分3区分2以下
2人以下672単位560単位448単位
3人448単位373単位299単位
4人336単位280単位224単位
5人269単位224単位179単位
6人224単位187単位149単位
7人192単位160単位128単位
行政書士 田中
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上記の表をもとに、例を二つあげて計算してみましょう。

例1

  • 開所して半年以内
  • 利用定員5名(区分5が2名、区分3が3名)
  • 1人の夜間支援員を配置する場合

5 x 0.9 = 4.5人 ・・・ 前年度実績がないため利用定員に0.9をかけた人数
4.5を小数点第1位で四捨五入 → 5人

区分5が2名 ・・・ 269単位 x 2名 = 538単位
区分3が3名 ・・・ 224単位 x 3名 = 672単位
ーーーーー
合計1,210単位

例2

  • 前年度利用者数が7人(全員区分3)
  • 夜間支援員を2名/日 配置する場合

夜間支援員①3名の利用者担当 ・・・ 373単位 x 3名 = 1,119単位
夜間支援員②4名の利用者担当 ・・・ 280単位 x 4名 = 1,120単位
-----
合計2,239単位

行政書士 田中
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以上がⅠの内容でした。
続いてⅡについてです。

夜間支援等体制加算Ⅱの算定要件

  • 宿直を行う夜間支援従事者を配置すること
  • 深夜および夜間の時間帯(午後10時から午前5時の時間帯を最低限含む)に配置されていること
  • 利用者の状況に応じ、定期的な居室の巡回電話の収受のほか、必要に応じ緊急時の対応等を行うこと
  • 夜間支援の内容は、個別支援計画に位置づけた上でのものであること

夜間支援等体制加算Ⅰと違って、Ⅱの夜間支援員は「宿直」扱いになります。
宿直」とは、夜間に勤務先に泊まることを前提とした勤務を指します。

具体的には、事業所の定期的巡視、緊急的な電話の収受、緊急時の対応などを行います。

宿直勤務を行うには、所轄労働基準監督署長の許可(断続的な宿直または日勤許可申請書により申請)を受けることが必要です。許可を受けることにより労働基準法第32条の労働時間等の規定などの適用が除外されます。

一方、許可を受けていない場合は宿直ではなく夜勤となるため、時間外や深夜手当を支給する必要が発生します。

夜間支援等体制加算Ⅱの加算額

夜間支援等体制加算ⅡもⅠと同様です。

「1つの住居」において「1人の夜間支援従事者」が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」および「利用者の障害支援区分」に応じ加算額を算定します。

「夜間支援対象利用者の数」は、共同生活住居に入居している利用者数の総数とします。

ただし当該利用者数の総数は「現に入居している利用者の数」ではなく、「前年度の平均利用者数」の計算方法に準じて算定します。小数点以下の端数が生じる場合については、小数点第1位を四捨五入します。

夜間支援対象利用者数単位
4人以下112単位
5人90単位
6人75単位
7人64単位

まとめ

共同生活援助を運営する上で、夜間支援等体制加算の内容を把握せず算定していると、要件を満たしていなかったということもあり得ます。

行政書士 田中
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しっかり要件を確認して、今一度見直しましょう!

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この記事を書いた人

奈良で開業して17年目を迎える行政書士法人LSRコンサルティングに所属する現役の行政書士。
障害福祉業務を得意とし、障害福祉サービス事業の開業・指定申請・許認可等に取り組む事業主様・個人様に向け障害福祉サービス事業情報を発信。

"初めての方にもわかりやすく"をコンセプトに障害福祉サービス事業情報をお届けします。

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