【就労継続支援B型】どんな記録をどう残す?事前の届出が”不要”な加算について
今日は就労継続支援B型で算定できる加算についてのお話です。
奈良・大阪市で障害福祉の指定申請や運営相談を行っている行政書士の田中です。事業運営には欠かせない加算ですが、皆様は正しく理解し適正に運用されていますか?
そもそも加算には、事前の届出が必要なものと不要なもの(算定できるタイミングでとる)があります。
必要な加算 | 事前の届出が事前の届出が不要な加算 |
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食事提供体制加算 送迎加算 目標工賃達成指導員配置加算 就労移行支援体制加算 視覚・聴覚言語障害者支援加算 重度支援体制加算 福祉専門職員配置等加算 | 初期加算 欠席時対応加算 訪問支援特別加算 利用者負担上限月額管理加算 医療連携体制加算 etc |
本ページでは事前届出が不要なものについて解説していきます。
尚、事前届出が必要なものについては以下で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
はじめに
加算の中には「そういう環境が整ったからとれる!」というものもあります。
しかし大抵の場合、
- 個別支援計画に、その加算に関する支援が必要な理由を明記しておく
- 日々の日誌に、実際に行った支援の内容を残しておく
といった作業が必要なものも少なくありません。
要件や単位数にばかり目が行きがちですが、「どんな記録」を「どのように」残さないといけないかをきちんと把握し、日常的に意識しながら運用するよう心がけましょう
それでは事前届出が不要な加算の詳しい内容について解説します。
初期加算
新規利用者が、利用開始日から起算し30日以内に利用することを条件に、最大30回まで算定できます。
30単位 / 日
例えば、新規利用者のAさんが実際に利用を開始した日が1月16日だとすると、その日から30日以内の期間で算定できます。
もし30日以内に2回しか利用がなければ、算定できるのは2回です。
欠席時対応加算
利用者が急病等により前々日・前日・当日に利用中止の連絡があった際、利用者やその家族との連絡調整・相談補助を行った場合に月4回まで算定できます。
94単位 / 日
欠席後の連絡調整や相談援助では、以下の内容を記録しておく必要があります。
- 連絡を受けた日
- 連絡を受けた職員
- 連絡者名・利用者名
- 欠席日
- 欠席理由・利用者の様子
- 次回通所予定日
- 行った支援内容
- 対応方法(電話やメールなど)
訪問支援特別加算
算定要件は以下です。
- 連続して5日間利用しなかった時に6日目から算定可能(月に2回まで)
- 居宅を訪問して相談支援を行う
(ケアマネや家族と話し合い、個別支援計画を見直すなど適宜対応する) - 訪問支援記録をつけておく
- 個別支援計画に位置付け、あらかじめ利用者の同意を得ておく
(休みが続き訪問した際に、どのようにどれくらいの時間対応するか計画を予め記載しておく)
1時間未満 : 187単位 / 回
1時間以上 : 280単位 / 回
利用者負担上限月額管理加算
上限管理が必要な利用者に対してサービスの提供を行い、上限管理を実施した場合に算定できます。
対象者1名につき : 150単位 / 月
利用者から「利用者負担上限額の管理依頼」を受けたら、他の事業所へ連絡します。
毎月の請求業務の際に、他の事業所から「利用者負担額一覧表」を受け取ります。(毎月3日まで)
その後、他の事業所へ毎月6日までに「負担上限額管理結果票」を送付します。
医療連携体制加算
連携した医療機関等から派遣された看護職員が利用者に対し看護を行った場合や、職員に指導を行った場合に算定できる加算です。Ⅰ~Ⅵまであります。
Ⅰ~Ⅲ
・連携する医療機関等から看護職員が訪問し、利用者に対し看護を行う
・1回の訪問で看護を行う利用者が8人以下
・(Ⅰの場合)看護を行った時間が1時間未満 32単位/日
・(Ⅱの場合)看護を行った時間が1時間以上2時間未満 63単位/日
・(Ⅲの場合)看護を行った時間が2時間以上 125単位/日
Ⅳ
・訪問した看護職員が「医療的ケアを必要とする」利用者に対し看護を行う
・1回の訪問で看護を行う利用者が8人以下である
看護を受けた人数による 400~800単位/日
Ⅴ
・訪問した看護職員が認定特定行為業務従事者に対し痰吸引等に係る指導を行う
500単位/日
Ⅵ
・看護職員から指導を受けた認定特定行為業務従事者が利用者に対し看護を行う
・看護を行った利用者がⅠ~Ⅳのいずれも算定していない
100単位/日
以上、今回は就労継続支援B型においての事前届出が不要な加算について解説しました。
細かい基準はありますが、日々の活動にて常習化しておけば負担は軽くなりそうですね。
事前届出が必要なものについても以下で解説していますので、合わせてご覧ください。