【就労継続支援B型】物件探しの落とし穴に注意!新規指定申請時の注意点を解説

落とし穴に注意?!物件探しについて

このページを訪れた方の中には、現在「就労継続支援B型事業所」のための物件探しをされている方もいるかもしれません。物件を探すにあたっては、念頭に入れておかなければいけないことがいくつかあります。

行政書士 田中
行政書士 田中

こんにちは。行政書士の田中利穂です。
今日は「就労継続支援B型」の物件探しについて、後々困ったことにならないよう気を付けておくべき注意点について解説します。

目次

 基本的な設備基準と広さ

就労継続支援B型の新規指定時の設備基準は以下のとおりです。

作業訓練室
  • サービス提供に支障のない広さを備えること。
  • 利用者1人当たり約3.3㎡必要。(3㎡のところもあり)
  • 就労継続支援B型事業は最低定員20名。
つまり作業訓練室の最低面積は66㎡(20名×3.3㎡)が必要。
相談室プライバシーに配慮していること。
多目的室相談室と兼務可能。
事務室鍵付き書庫を設置すること。
洗面所・トイレ洗面所(手指洗浄)はトイレ内手洗いとは別々であること。
行政書士 田中
行政書士 田中

このほか、指定権者によっては更衣室等を求める場合もあります。

作業訓練室だけで70㎡近く必要であるため、その他のスペースを考慮したら最低でも90㎡の物件を探す方がいいでしょう

定員が20名を超えることを見越して、大きめの物件を借りていてもいいかもしれませんね。

行政書士 田中
行政書士 田中

実際にお客様の中には1年足らずで定員が20名を超え、余っているスペースぎりぎりの27名まで定員追加をされた方がいます

 200㎡未満の物件は用途変更が不要

建築基準法では、建物の用途を変更して特殊建築物にする場合、用途変更確認申請が必要となります。施設通所型の介護・障害福祉事業においては、すべてが特殊建築物に該当します。

令和元年の建築基準法の改正により、就労継続支援B型事業として使用する面積が200㎡未満の場合は用途変更の確認申請が不要になりました。

行政書士 田中
行政書士 田中

逆にいうと200㎡を超えると用途変更が必要になってくるので、200㎡未満の物件を探しましょう。

また、使用面積は「有効面積」や「延べ面積」など解釈の仕方がエリアによって異なる場合もあるので、必ず建築部局で協議を行うようにしてください。

そしてこちらも忘れてはならないチェックポイントなのですが、必ず不動産屋さんに「建築確認済証」や「検査済み証」があるのかを確認するようにしましょう。

ない場合は市町村の建築指導課に行って「建築計画概要書」を取得し、きちんと検査は受けているのか?等を必ず確認しましょう。

 市街化区域と周辺環境を確認

都市計画法では、都市を下の2つに分けています。

市街化区域

市街化調整区域

市街化調整区域は市街化を抑制する地域であり、原則新しく建物を建築することができません

行政書士 田中
行政書士 田中

したがって、就労継続支援B型の物件を探すときは市街化調整区域を避けて探しましょう。

市街化区域であっても工業専用地域ではグループホームは開所できなかったり低層住居専用地域では児童発達支援や放課後等デイサービスは開所できなかったりしますので、必ず都市計画課に相談をしてみてください。

 消防法については消防署での相談が最善

就労系では消防法6項ハという法律が適応されます。

この法律はとてもややこしく、「自動火災報知器がついているし大丈夫だろう」と安易に考えて賃貸借契約をしてしまうと、後になって消防点検で引っかかりその物件が使えないなんてことにもなりかねません。

それは目も当てられませんね…

行政書士 田中
行政書士 田中

就労継続支援B型を行う際は、物件の賃貸借契約を交わす前に必ず消防署に事前相談に行きましょう。

就労系は訓練作業室だけでも最低60㎡以上必要なので、ビルだと比較的大きめのフロアがある場所を選ぶことになります。

そこでよくあるのが、「特定一階段等防火対象物」と呼ばれる建物に該当するケースです。

特定一階段等防火対象物とは?
地下または3階以上の階に「特定用途」が入居する建物で、屋内階段が1つしかない建物のこと。

特定用途とは、使う人が決まっていない障害福祉施設や飲食店のことを言います。

建物が特定一階段等防火対象物に該当すると、特別に避難器具を設置したり、その他基準が厳しくなります

行政書士 田中
行政書士 田中

最近では、北新地ビル放火事件を覚えていますか?

あのビルは、屋外階段もなく屋内階段は1つのみ、さらに事件のあったクリニックは特定用途にあたります。まさに特定一階段等防火対象物でしたが、基準にあった設備は備わっておらず、あのような悲惨な状態になってしまいました。

特定一階段等防火対象物になるかと思えばフロアが1階だからOKなど例外があったりしますので、必ず物件契約の前に消防署に出向きましょう。

 契約は必ず事前相談が終わってから!

ここまでの解説の通り、対象物件には様々な条件が必要だということが分かりました。

事業申請時の設備基準はもちろんのこと、建築基準法・都市計画法・消防法といった遵守すべき法律にも目を向ける必要があります。

このような理由から、物件契約は必ず事前相談が済んでから行うことを強くお勧めいたします!

敷金礼金も支払ったのに、福祉課や消防法に適合していなくて使えない!なんてことになったら、目も当てられませんから・・・

行政書士 田中
行政書士 田中

弊所ではこのような事前相談も代行して行っております。
初回無料ですので、お気軽にご相談くださいませ!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

奈良で開業して17年目を迎える行政書士法人LSRコンサルティングに所属する現役の行政書士。
障害福祉業務を得意とし、障害福祉サービス事業の開業・指定申請・許認可等に取り組む事業主様・個人様に向け障害福祉サービス事業情報を発信。

"初めての方にもわかりやすく"をコンセプトに障害福祉サービス事業情報をお届けします。

目次