【就労継続支援B型】事前の届出が”必要”な加算について丁寧に解説

【就労継続支援B型】事前の届出が”必要”な加算について丁寧に解説

今日は就労継続支援B型算定できる加算についてのお話です。

行政書士 田中
行政書士 田中

奈良・大阪市で障害福祉の指定申請や運営相談を行っている行政書士の田中です。事業運営には欠かせない加算ですが、皆様は正しく理解し適正に運用されていますか?

そもそも加算には、事前の届出が必要なもの不要なもの(算定できるタイミングでとる)があります。

事前の届出が必要な加算事前の届出が不要な加算
食事提供体制加算
送迎加算
目標工賃達成指導員配置加算
就労移行支援体制加算
視覚・聴覚言語障害者支援加算
重度支援体制加算
福祉専門職員配置等加算
初期加算
欠席時対応加算
訪問支援特別加算
利用者負担上限月額管理加算
医療連携体制加算 etc

本ページでは事前届出が必要なものについて解説していきます。

尚、事前届出が不要なものについては以下で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

目次

はじめに

中には新規指定申請の時から算定できる加算もあります。

その他は、運営している間に算定できる環境が整いそうであれば、前月15日までに届出を提出するようにしましょう。

行政書士 田中
行政書士 田中

それでは事前届出が必要な加算の詳しい内容について解説します。

食事提供体制加算

食事を提供したら全利用者に対して加算を算定できると思われがちですが、対象者は低所得者等の利用者です。(受給者証に食事提供体制加算対象者かどうかの記載があります)

食事提供体制加算を算定するためには、以下の3つのパターンを採用しなければなりません。

  1. 同一法人の調理員が同一法人内の施設で調理をし提供する場合
  2. 外部に委託し、外部業者の調理員が当該事業所で調理をし提供する場合
  3. 外部の業者が調理したものを搬入し提供する(クックチルやクックフリーズ)

仕出し弁当などは不可

特に③は、一般的な仕出し弁当やお惣菜は衛生上の理由から加算の算定はできないので注意してください。

また、外部委託業者との契約においては、搬入の形式(例:クックチルなど)を具体的に明記した契約書を作成することが重要です。

就労継続支援B型の食事提供体制加算は30単位 / 日で約300円ほどです。

運営規定や重要事項説明書で食事代金を500円と定めた場合は、加算額を差しを引いた残りの金額(約200円)を食材費として利用者から請求が可能です。

送迎加算

利用者を自宅(グループホーム等)から事業所まで車で送迎した場合に算定できる加算です。

送迎加算(Ⅰ): 21単位
送迎加算(Ⅱ): 10単位

要件は

(a)1回の送迎につき、当該月に平均10名以上

(定員20名未満の事業所は1回の送迎につき当該月で平均的に定員の100分の50以上)

(b)週3回以上の送迎を実地

送迎加算(Ⅰ)は(a)(b)両方を満たしている場合

送迎加算(Ⅱ)は(a)(b)どちらかを満たしている場合

に算定できます。

目標工賃達成指導員配置加算

就労継続支援B型では、利用者の工賃向上を図るために、業務受託先と工賃UPの交渉や新規業務の取得のための営業など、目標工賃達成に向けて尽力する指導員を「目標工賃達成指導員」と呼んでいます。

目標工賃達成指導員配置加算を取得するためには、いくつかの要件があります。

①目標工賃達成指導員を常勤換算1.0以上配置

②職業指導員・生活支援員は7.5:1配置

③職業指導員・生活支援員・目標工賃達成指導員合わせて6:1配置

④工賃向上計画をしっかり作成しておく(目標工賃達成指導員配置加算をとらなくても必要)

就労移行支援体制加算

就労移行支援体制加算は、当該就労継続支援B型事業所の利用後に一般企業に就職し、6か月以上の就労をしている方がいる場合に算定できます。

6か月の就労というのは、前年度の実績より評価されるので、前年度の3月末までに6か月就労していた事実が必要です。

また、同一の事業所で6か月です。勤務先を転々としながらの通算6か月就労では算定できませんのでご注意ください。

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算

視覚・聴覚言語障害者障害者支援体制加算とは、視覚障害者、聴覚障害者、言語障害者が30%以上利用する事業所で以下の要件を満たすと算定できます。

・専門スタッフを「利用者数÷50」以上配置が必要(人員配置に加えて別途配置)

・「専門スタッフ」とは、聴覚障害であれば手話の通訳ができるスタッフ等、視覚障害であれば点字の指導などを行うことができるスタッフのこと

重度者支援体制加算

こちらの加算、算定できるのに意外ととっていない事業所さんを多く見かけます。

もう一度、利用者さんの年金の等級を確認して、可能ならコピーをいただいておくのもいいでしょう。

算定要件は

①重度者支援体制加算(Ⅰ)

障害基礎年金1級の受給者が利用者の50%以上であること。

②重度者支援体制加算(Ⅱ)

障害基礎年金1級の受給者が利用者の25%以上であること。

割と(Ⅱ)がとれそうな事業所さんも多いのでは??

福祉専門職員配置等加算

社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理士の資格保有者がどのくらい配置されているかによって算定できます。

福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)15単位/日

常勤の職業指導員等のうち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理士
の資格保有者が35%以上雇用されている事業所

福祉専門職員配置等加算(Ⅱ)10単位/日

常勤の職業指導員等のうち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理士
の資格保有者が25%以上雇用されている事業所

福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)6単位/日

職業指導員等のうち、
・常勤職員が75%以上 または
・勤続年数3年以上の常勤職員が30%以上の事業所

福祉専門職員配置加算は、「常勤職員のうち」という括りがあるので、従業員の入れ替わりが多い事業所さんは注意が必要です。

「今月は足りてないのに、加算とり続けていた!」なんてことも起こりかねません。

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この記事を書いた人

奈良で開業して17年目を迎える行政書士法人LSRコンサルティングに所属する現役の行政書士。
障害福祉業務を得意とし、障害福祉サービス事業の開業・指定申請・許認可等に取り組む事業主様・個人様に向け障害福祉サービス事業情報を発信。

"初めての方にもわかりやすく"をコンセプトに障害福祉サービス事業情報をお届けします。

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